スカーフ&ストール:プリント・縫製加工紹介 of ストール&マフラー :OUTCORNER HOME PAGE

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スカーフ、ストール、マフラー 製造:プリント技術・縫製加工技術 

プリント技術編

プリント:三原色プリント
プレーンなプリント方式ではシルクスクリーン型を作るにあたり色分けされた数量分の型が必要となります。リアルな(写真等)絵を表現するには、何十枚もの型が必要となります。経費を考えると大変な金額になります。そこで考えだされたのが、ペーパープリントでおなじみのインクジェットプリント方式の原理を応用した、シルクスクリーン型を使用したプリント方式です。色の三原色(シアン、マゼンタ、イエロー)分解と呼ばれる色分解方式で型を作製してクロをプラスした4枚の型を基本型としてプリントします。(精度を上げる為に補色の型が必要)経費は押さえられますが、デメリットも多く難しいテクニックと言えます。

プリント:フロッキープリント
フロッキープリントとは静電気を利用したプリント方式です。先ずは平たい台の上に生地を貼ります。生地の上にシルクスクリーン型(モチーフ)を用いてバインダー(樹脂)だけをプリントします。その上から短く切った繊維(業界用語としてパイルと呼ばれています)を振り掛け特殊装置を使い静電気を発生させ垂直にバインダーに接着させます。接着されたパイル部分はベルベット調の手触りになります。パイルは、ポリエステル・レーヨン・ナイロン等の素材が有ります。

プリント:グリッタープリント
グリッタープリントとは、ゴールド色・シルバー色等のポリエステルフィルムを細かくカッティング(0,1mm)してバインダー(樹脂)と混ぜ合わせ,目の粗いシルクスクリーン型を用いてプリントする技法です。元来、ブライダル衣装に施される事が多かったプリントテクニックでしたが、今ではTシャツの定番プリントテクニックになっています。

プリント:ハイメッシュ 
ハイメッシュプリントとはシルクスクリーン型のメッシュ(紗)が3000前後の精細な型でソフト顔料を使用したプリントです。一般的に顔料プリント用の型は1000前後のメッシュを用います。一般的な顔料プリントは、緻密な柄の表現には適していないと言われていますが、ハイメッシュプリントは緻密なデザインを表現出来ます。但し、型の作製コストも高くプリント作業も難易度が高いところから一般商品としては使用機会が少ないのが現状です。

プリント:オパールプリント
オパールプリントとは、2種類の異素材(酸性に耐久性の有る素材と無い素材)で交織された生地やカバーリングされた生地(画像は耐酸性繊維シルク素材と非耐酸性繊維レーヨン素材の交織生地)に特殊薬品(酸化剤)をプリントする事により化学反応を起こし非耐酸性繊維の素材だけを溶脱させる技法です。画像では花形のシルエットに目えている部分がオパールプリントにより溶脱されています。

プリント:抜触プリント
抜触プリントとは、生地に穴を空ける加工です。昨日説明したオパールプリントのように特殊薬品をプリントする事により化学反応を起こし生地を破壊させます。穴を空けた箇所から裂け目が広がってしまうのを防ぐ為にふちをバインダー(樹脂)でプリントします。

プリント:塩縮プリント
塩縮プリントとは、シルクスクリーン型で柄模様に塩縮剤をプリントした後、蒸熱処理によって模様部分
を凹凸模様に表現するプリントです。

絞り染め
絞り染めとは、布の一部分を凧紐なので縛った後、布全体を染める模様染めの技法です。縛った部分だけが、染料が染み込まないために模様が出来ます。長年の経験で縛り方により意図的に模様を創り出す熟練者もいます。

発泡プリント
発泡プリントとは、顔料、バインダー(接着剤のようなもの)に発泡剤を混ぜてプリントを施し、熱処理を行い発泡剤を膨らませるプリント技法です。

加工技術編:刺繍レース・ミシン

刺繍:シークイン刺繍
全面にスパンコールを着けるには多頭式刺繍機と呼ばれている装置を使います。スパンコール等の装飾用として衣服に縫い付けられたりする金属片のことをシークインと呼ぶのでシークイン刺繍機と呼ばれたりもします。上記の装置を使って生地の段階でスパンコールを刺繍しますから、スカーフとしてふちを縫製する際にスパンコールを取り外す作業が必要です。スカーフとしては、スパンコールで怪我をする可能性が有るので首に直に触れる部分には刺繍しないテクニックも開発されています。

刺繍:ハンドル刺繍
ハンドル刺繍ミシンとは、ミシンの下部に取り付けらてているハンドルを操作しながらコード・テープ(画像)で柄を描いていくミシンです。フリーハンドなのでミシンを操作する人の技術力が必要とされます。

刺繍:リボン刺繍
リボン刺繍とは、コード刺繍の一種でコード糸の変わりにリボンテープを縫い付ける刺繍です。以前紹介したコード糸タイプの商品は、コード糸を置きながら平面的に刺繍して柄を表現していましたが、リボンテープタイプは、部分的に刺繍をする事により花びらのように立体的に柄を表現しています。

刺繍:多頭式刺繍(ワンポイント)
多頭式(たとうしき)刺繍とは、刺繍を行うヘッド(針を繰り出す部分:6~15本の針)が平面台に10~20個付いている刺繍機で一度にヘッドの数量分(機種により異なる)だけの商品数を刺繍する事が可能な刺繍です。刺繍の可能範囲はタテ×ヨコ=500mm×400mm位です(機種により異なる)製品のワンポイントに刺繍される時に多く使われます。

刺繍:エンブロイダリーレース加工
エンブロイダリーレース加工とは、生地(全長15M前後:機械により異なる)専用刺繍機を使って表糸と裏糸による刺繍加工を施して柄を表現する加工です。

特殊ミシン:ピコット
ピコットミシンとは、布端に小さなループ状の飾りを付けるミシンです。ピコットには半円を描きながら布端にアクセントを付ける見せ方「シングルピコット」と、生地と生地を繋げる際に使われる「ダブルピコット」に大別されます。

特殊ミシン:3本松葉
3本松葉加工とは、布端に飾りを施す加工の一種です。松の葉に見えるところから3本松葉と呼ばれています。4本松葉もあります。

特殊ミシン:4本松葉
4本松葉加工とは、布端に飾りを施す加工の一種です。松の葉に見えるところから4本松葉と呼ばれています。3本松葉も有ります。

加工:プリーツ
プリーツ加工は、洋服でも使われる事が多いので皆さんもご存知の方が多いと思われます。
画像の商品は、紙型を使ったプリーツ加工を施されています。まずは、生地の布端を縫製してスカーフ製品形状にします。そして2枚の紙型(いろいろな形があります)にスカーフをセット(挟みます)して機械で熱圧力処理を行います。合繊はプリーツ形状が長く保ちますが、天然繊維は長くは保ちません。

加工:ラウンドレース着け
ラウンドレース着け加工とは、スカーフ・ハンカチの代表的な加工テクニックでレースをヘム(布端)にトリミングする加工です。

加工:ニードルパンチ
ニードルパンチとは、土台の生地に毛糸等をのせて剣山状の針を生地に叩きつけて圧着させ柄を出す技術です。

縫製技術編

縫製:手巻き
手巻き縫製とは、読み方通りミシンを使わず手で巻く縫製技術です。針を生地に巻き込みながら縫い進めていきます。指先の力加減調整が難しく1枚の商品を縫い終えるまでにミシン縫製に比べて時間を要します。

縫製:千鳥巻き
千鳥巻きとは「手巻き」をミシンワークで模倣した縫製です。スカーフ製造発祥の地である横浜地区に多くの千鳥巻き専用ミシンが所有されています。ミシンに回転ラッパと呼ばれる部品(生地端を回転させる為の部品)を取り付け千鳥模様(ジグザク模様)に縫っていきます。プリントされた反物(25m位)の縦方向を連続して縫ってから横方向をカットして1枚にしてから横方向を縫います。生産性が高くスカーフの多くが千鳥巻き縫製で製造されています。

縫製:三ツ巻き
三ツ巻き縫製とは、布端が三重に折り返された状態で処理される縫い方です。「三ツ巻き押さえ」と呼ばれる部品をミシンに取り付け布端を三重に折り返しながら直線に糸を走らせていきます。「千鳥巻き」は、薄てのシルク生地に多く使用されますが、三ツ巻きは、地厚な生地に用いられる事が多いです。

縫製:メロー巻き
メロー巻きとはロックミシンを使った縫製の一種です。布端をミシンカッターで切り揃えながら3本糸(1本針)で巻き込むように縫っていきます。画像のようにフリルを出す為にバイヤス(生地を斜め方向にカットする)に縫製する際、メロー巻きを用いられる事が多いです。

縫製:花メロー巻き
花メローとは俗称でメローの変形タイプです。変形メローもロックミシンを使った縫製の一種で、布端をミシンカッターで切り揃えながら縁に装飾を加えながらかがり縫いしていきます。

縫製:モヘヤステッチ
モヘヤステッチとは変形メローのテクニックを用いてモヘヤ糸を縫製糸として使った縫製です。縁にモヘヤ糸を使う事により秋冬の季節感を演出しています。

縫製:モールステッチ
モールステッチとは変形メローのテクニックを用いて意匠糸としてモール糸を使った縫製です。
縁にモール糸を使う事により秋冬の季節感を演出しています。

縫製:シジミロック
シジミロックとは変形メロー巻きの一種です。
「シジミ」とは見た目が貝のシジミに似ているところから名付けられた俗称です。

縫製:ピコミシン加工
ピコミシン加工とは、1本は穴をあける針、あけた穴に入っていく1本の親針と2本の左右をかがる針の合計4本針のミシンで加工されます。穴の大きさは針のサイズで調整します。スカーフでは布端の近くに連続の穴をあけ切り返しポイント的な装飾を施す為に使われる事が多いです。

縫製:抜き房結び
抜き房とは生地の横糸をほぐして抜き取り縦糸をすだれのようにした状態を言います。結びをする為には一般的に8cm以上は横糸をほぐし抜き取ります。1cm~の間隔で糸を束ねて根本を結びます。画像の商品は、シルク柞蚕糸を使って織られたものです。柞蚕糸は生糸に比べて糸が絡み合う事がないので抜き房結びの商品にする際に使用される事が多いです。

縫製:手付け房加工
手付け房加工とは縫製(千鳥巻きや三ツ巻き)処理後の装飾房加工です。画像の商品は、レーヨン糸を10本束ねて布端(縫製処理された部分)に貫通させ折り返し20本に束ねた根本の部分で結び目を作り15cmの長さで糸を切り完成させています。また画像の商品には、結び目に丸玉ビーズを通してアクセントを付けています。糸の選定や房の間隔や長さで装飾に変化を付けます。

縫製;シャーリング
ゴムシャーリング加工とは、下糸にゴム状の糸を用いて一定の間隔をあけて縫製して布地にギャザーをよせる加工です。